中学受験、うまくいかなかったら?
中学受験の結果が思うようにいかなかった場合、どのような選択肢があるのでしょうか?
その一つに、地元の公立中学校への進学が考えられます。今回は、公立中学校に進学した場合について、お話しさせていただきます。
実際、いろはの兄弟あさきは、中学受験はせず、地元の公立中学校から公立高校へと進学しました。
公立中学・高校進学という選択
あさきは公立中学では先生にも恵まれ、友人関係も良好で、部活動にも積極的に取り組み、充実した学校生活を送ることができたようです。しかし、先生の質は、学校や、その年の担任によって、当たり外れがあることも事実です。これは、運の要素もありますね。
勉強面で言えば、高校受験は、中学受験とはまた違った大変さがあります。
公立高校受験は、内申点が重要!
なぜなら、公立高校入試では、内申点が合否に大きく影響するからです。
内申点とは、簡単に言うと、中学校での成績を点数化したものです。具体的には、1学期末、2学期末、そして3学期の成績を総合的に評価し、学年末に9科目すべて5段階評価で評定されます。オール5なら、45点満点です。主要5教科だけではなく、音楽、美術、保健体育、技術家庭の技能4教科も含まれる点が、大きな特徴です。
そして、この内申点が、中学1年生、2年生、3年生の3年間分、高校入試の得点に加算されるのです。
仮に、3年間オール5であれば、なんと135点!これが、公立高校入試の5科目500点満点に加算されます。つまり、試験を受ける前から、135点のアドバンテージを持っていることになるのです。この差は、非常に大きいと言えるでしょう。
内申点対策、あさきの場合
入試本番で実力を出し切れるタイプの生徒であれば、それほど心配する必要はないかもしれません。しかし、あさきの場合は、どちらかというと、本番に強いタイプとは言えませんでした。そのため、内申点をしっかりと確保しておくことが、非常に重要でした。
そのためには、毎回の定期テストで、良い点数を取らなければなりません。主要5教科はもちろん、技能4教科も、です。あさきは、定期テスト前には、教科書や問題集を何度も繰り返し解き、分からない問題は先生や友人に質問するなどして、テスト対策を入念に行っていました。これはこれで、中学受験とは異なる、大変な苦労があったようです。
特に、技能教科を含めた9科目すべてが評価対象となること、そして、学校の先生の成績の付け方一つで、点数が変わってしまう可能性があることは、学校や先生によって公平性に欠けるように感じていました。
中学受験と高校受験、どちらが有利?
とにかく、公立中学校から公立高校への進学を目指す場合、中学1年生から3年生まで、気を抜く暇がありません。3年間、常に高い内申点を維持し続ける必要があるからです。
それに比べると、中学受験は、テストの点数という明確な数値で評価されます。もちろん、試験当日の体調や、問題との相性など、運の要素もあります。しかし、評価基準が明確であるという点では、公平性が高いと言えるかもしれません。
中学受験と高校受験、そして、その先の大学受験を視野に入れた場合、どちらの進路が有利なのかは、お子様の性格や、得意不得意、そして、将来の目標によって変わってくるでしょう。
どちらの道が正解、ということはありません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、お子様にとって最適な進路を、一緒に考えていきたいですね。